もう試着で落ち込まない。自分を責めない服との向き合い方
試着室でのモヤモヤ、もしかして感じていませんか
新しい服を探しにお店に行ったとき、気になる一着を見つけて試着してみたものの、「あれ、なんだか思っていたのと違うな」「全然似合わないかも」と感じて、がっかりした経験はありませんか。試着室の鏡の前で、理想の自分とのギャップに少し落ち込んでしまう。そして、「私の体型が悪いのかしら」「どんな服を選べばいいのか、もう分からない」と、ファッションへの自信をなくしてしまうこともあるかもしれません。
試着室は、服と自分自身がじっくり向き合う、ある意味特別な空間です。だからこそ、「似合わなければどうしよう」「店員さんに悪いな」といった、周りの目や「こうあるべき」という無意識のプレッシャーを感じやすい場所でもあります。
でも、そのモヤモヤは、あなたが一人で抱え込んでいるものではありません。多くの方が、試着室で多かれ少なかれ同じような気持ちを感じているのです。
「似合わない」は失敗じゃない。「発見」なんです
試着して「似合わない」と感じたとき、それはあなたのせいなのでしょうか。決してそんなことはありません。服にはそれぞれ、デザインや素材、シルエットに個性があります。そして、私たちの体型も日々変化し、その日の気分や体調によっても、同じ服を着たときの印象は変わります。
「この服は私には似合わなかったな」という事実は、「失敗」ではなく、むしろ「発見」なのです。
- 自分を知る発見: このデザインは自分の肩幅には合わないな、この素材は体のラインを拾いやすいな、といった具体的な特徴を知ることができます。
- 「こうあるべき」を手放す発見: 雑誌やネットで見たイメージと違っても、それが「悪い」のではなく、単に「今の自分とは違う」だけだと気づくきっかけになります。「流行っているから似合うはず」「この年齢ならこの形」といった固定観念を手放し、もっと自由に服を見られるようになります。
試着室で自分を肯定するヒント
では、試着室での時間を、自分を責める時間ではなく、もっと心地よいものに変えるにはどうしたら良いのでしょうか。いくつか考え方を変えてみるヒントをご紹介します。
- 「完璧」を目指さない: 試着するすべての服が自分に完璧に似合う必要はありません。服はあくまで、あなたの日常を彩るツールのひとつです。完璧な服を探すのではなく、今の自分に「これでいいな」と思える一点と出会うことを目指しましょう。
- 自分の感覚を大切にする: 鏡に映る自分を見て、「なんだかしっくりこないな」と感じたら、その感覚を信じてください。店員さんの意見も参考になりますが、最終的にその服を着て日々を過ごすのはあなた自身です。「着ていて心地よいか」「心が少しでも弾むか」といった、論理的な判断だけでなく、自分の内側の感覚にも耳を傾けてみましょう。
- 「なぜ」を深掘りしすぎない: 「どうして似合わないんだろう」「体のここがこうだからダメなんだ」と、ネガティブな理由を深掘りしすぎると、自分を責めるループに入りやすくなります。理由が分からなくても、「今日はちょっと違うかな」くらいに軽く受け流すことも大切です。
- 「似合う」以外の視点を持つ: 色や形が「似合う」かどうかだけでなく、「肌触りが気持ちいい」「締め付け感がなくて楽」「洗える素材で手入れが簡単そう」など、機能性や着心地といった別の視点でも服を評価してみましょう。「似合う」だけにとらわれないことで、服選びの選択肢が広がり、新しい発見があるかもしれません。
- 無理に「買わなければ」と思わない: 試着したからといって、必ず買わなければいけないわけではありません。お店を出て一度冷静になって考える時間を持つのも良い方法です。衝動買いを防ぎ、本当に必要で自分に合う服を選ぶことにつながります。
試着は、自分と服との「対話」の時間
試着室での時間を通して、「こんな自分もいるんだな」「この服を着るとこんな気持ちになるんだな」と、改めて自分自身について知ることができます。「似合う・似合わない」という表面的なジャッジだけでなく、その服があなたの心や体にどう寄り添うか、という視点を持つことで、服選びはもっと自分を大切にする時間へと変わっていきます。
試着室で感じたモヤモヤは、あなたがファッションに真剣に向き合っている証拠でもあります。その気持ちを否定せず、「そうか、今日の私はこの服とは縁がなかったんだな」と、ゆるっと受け止めてみませんか。
完璧な一着を探し求めるプレッシャーから解放されて、心軽やかに、あなたらしい心地よい服と出会えることを願っています。