いつもの服が「あれ?素敵」に。難しく考えない着こなしのゆるっとヒント
ファッションの「着こなし」と聞くと、なんだか難しそう、特別なテクニックが必要そう、と感じることはありませんか。雑誌やお店で見る素敵なコーディネートを真似しようと思っても、自分には難しくて、結局いつもの無難な着方に戻ってしまう。そんな方もいらっしゃるかもしれません。
でも、着こなしって、実はそこまで構える必要はないのです。完璧な「お手本」を目指すのではなく、手持ちの服を少しだけ「あれ?いつもと違うな」と感じられるように遊んでみる。そんな、ゆるっとした気持ちで楽しむのが、心地よく続けるコツだと考えています。
頑張らなくても変わる、着こなしの小さな魔法
いつもの服を少し新鮮に見せるために、特別なアイテムを買い足す必要はありません。ちょっとした着方や、手持ちの小物をプラスするだけで、雰囲気はぐっと変わるものです。
袖や裾、襟元を「ちょっと変えてみる」
- 袖をロールアップ: シャツやカットソーの袖を、軽く一折り、二折りしてみる。これだけで、ぐっと軽やかな印象になります。腕周りがすっきりして見え、抜け感も生まれます。
- 裾をタックイン: トップスをボトムスにすべて入れるのではなく、前側だけを少しだけ入れてみる。いわゆる「前だけイン」という着方です。ウエスト位置が高く見え、全体のバランスが変わります。体型を気にしすぎてぴったりした服を避けている方も、ゆったりしたトップスで試すと、自然なメリハリが生まれて心地よく着られることがあります。
- 襟元を開けてみる: ブラウスやシャツのボタンをいつもより一つ多く開けてみる。タートルネックや詰まった襟のトップスに、ネックレスをプラスしてみる。顔周りに視線が集まり、全体の印象が明るくなります。
どれも数秒でできる、本当に小さな工夫です。
色合わせは「感覚」を大切に
「この色とこの色を合わせたら変かな?」と、色合わせに悩むこともありますよね。確かに色の基本的なルールはありますが、まずは自分が「いいな」「好きだな」と感じる色の組み合わせを試してみるのも、大切な一歩です。
- 小物で色をプラス: いつもモノトーンや定番カラーの服が多いなら、ストールやバッグ、靴下などで鮮やかな色や好きな色を加えてみるのはどうでしょうか。小さな面積なら挑戦しやすく、コーディネートのアクセントになります。
- グラデーションを楽しむ: 似たようなトーンの色を重ねてみる。例えば、ベージュのトップスにブラウンのスカート、ライトグレーのパンツに濃いグレーのカーディガンなど。まとまりが生まれ、落ち着いたおしゃれな印象になります。
「これが正解」という色の組み合わせを探すのではなく、「この色を合わせたら、今日の気分が上がるな」という感覚を優先してみましょう。
足元や小物を「味付け」に使う
服そのものはいつものままでも、足元や小物を変えるだけで、全く違う雰囲気になります。
- 靴で印象チェンジ: スニーカーからきれいめのフラットシューズに変えるだけで、カジュアルな服も少しよそ行き顔になります。逆もまた然り、シャツワンピースにスニーカーを合わせれば、ぐっとリラックスした印象になります。
- アクセサリーを一つ: 大ぶりなピアスやイヤリング、存在感のあるネックレスなどを一つプラスする。これだけで、シンプルなニットやカットソーが華やかになります。毎日同じアクセサリーをつけていても良いですし、その日の気分で変えてみるのも楽しいでしょう。
- バッグで雰囲気を変える: いつも同じ通勤バッグを使っているなら、近所への買い物にはキャンバス地のトートバッグ、友人と会う時には少し小ぶりなショルダーバッグなど、用途や気分に合わせてバッグを変えてみる。実用性だけでなく、ファッションアイテムとしても楽しんでみましょう。
大切なのは「こう着るべき」を手放すこと
ファッションの着こなしに、「こうすれば絶対におしゃれに見える」という唯一無二の正解はありません。体型も好みも、そしてその日の気分も、人それぞれ違うからです。
雑誌に載っている着こなしが素敵に見えても、それを完璧に再現することを目指さなくても良いのです。それよりも、今日自分が着ている服を、「どうすれば一番心地よく着られるかな」「どうすれば少しだけ気分が上がるかな」という視点で見てみませんか。
袖をちょっと折ってみたら、風通しが良くて涼しいな。 好きな色の靴下を履いたら、足元を見るたびに嬉しいな。 この着方なら、体型を気にせずリラックスできるな。
そんな風に、自分にとっての「心地よさ」や「好き」を見つけることが、ゆるっとファッションを楽しむ一番のヒントです。
まとめ
「着こなし」は、難しいテクニックを覚えることではありません。手持ちの服と、自分の心地よさ、そしてほんの少しの遊び心があれば、十分楽しめます。
袖を折る、裾をインする、小物で色や変化をつける。そんな簡単なことから始めて、いつもの服を「あれ?ちょっと素敵」に見せてみましょう。完璧を目指さず、自分にとって一番心地よく、心弾む着方を見つけてください。
「こう着るべき」というプレッシャーから解放されて、もっと自由に、もっとゆるっと、ファッションとの時間を楽しんでいただけたら嬉しいです。