「なんとなく」で買わない。本当に必要な服を見つけるゆるっと買い物術
クローゼット、いっぱいのその服、本当に着ていますか?
「クローゼットを開けると服はたくさんあるのに、なぜか着る服がない」 「セールで安かったから」「なんとなく可愛いと思って」つい買ってしまったけれど、一度も袖を通していない服がある。
そんな経験、もしかしたらあなたにもあるかもしれません。
頑張って選んだはずなのに、なぜか満たされない。次の流行を追いかけることに疲れてしまった。昔はあれこれ試すのが楽しかったけれど、今は体型も変わって何を選べばいいか分からない。そう感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
完璧なクローゼットや、いつも流行の最先端にいるようなおしゃれを目指すのは、とてもエネルギーのいることです。私たちは、「完璧であること」よりも「自分にとって心地よいこと」を大切にするファッションとの向き合い方を提案しています。
今回は、「なんとなく買い」から少しずつ距離を置き、本当に必要な服、心が満たされる服を見つけるための、肩の力を抜いた買い物術について考えてみたいと思います。
買う前に、ちょっぴり自分に問いかけてみる
お店で気になる服を見つけたとき、心が動くのは素敵なことですよね。でも、「なんとなく良いな」という感覚だけで買ってしまうと、後で「思っていたのと違った」「結局着なかった」ということにつながりやすいものです。
そこで、衝動的にレジに向かう前に、ほんの少し立ち止まって、自分自身に小さな問いかけをしてみてはいかがでしょうか。難しく考える必要はありません。感じたままに答えてみるだけです。
- それは本当に「好き」ですか?\ 流行っているから、みんなが着ているからではなく、純粋にその服そのものに心がときめくか、を大切にしてみてください。
- 今のあなたのライフスタイルに合っていますか?\ 着ていく場所やシーンが具体的に想像できるでしょうか。お仕事、お休みの日、近所へのお出かけなど、普段のあなたの生活に馴染む服でしょうか。
- 手持ちの服と合わせられますか?\ クローゼットにある、お気に入りのボトムスやトップスと組み合わせて着られるイメージが湧くでしょうか。その服一点だけを見るのではなく、普段のあなた全体のスタイルに馴染むかを考えてみます。
- 着ていて心地よさそうですか?\ 肌触りやサイズ感はどうでしょうか。締め付けたり、動きにくかったりしないか。長時間着ていてもストレスにならないかも大切なポイントです。
- もしセール品でも、定価だったら買いますか?\ 値段がお得だからという理由だけで判断していないかを確認するための問いかけです。本当にその服の価値をあなたが感じているか、を考えてみます。
これらの問いにすべて完璧に答えられなくても大丈夫です。ただ、少し立ち止まって考えることで、「なんとなく」という曖昧さから、「これが好き」「こういう理由で着たい」という自分の気持ちに気づくことができるかもしれません。
小さなことから始める「ゆるっと買い物レッスン」
「いざお店に行くと、つい慌ててしまう」「店員さんに勧められると断れない」ということもあるかもしれません。そんな時は、小さなことから、できる範囲で試してみましょう。
- 買う前にクローゼットの写真を撮っておく\ スマホでざっと写真に撮っておくと、お店で「これ、手持ちのあの服と合うかな?」と確認するときに役立ちます。
- 欲しいものをリストアップしてみる\ 「なんとなくトップス」ではなく、「白いきれいめブラウス」「黒のワイドパンツ」のように、具体的にリストにしてみます。こうすることで、目的意識が生まれ、「なんとなく買い」を防ぐことにつながります。
- 試着はためらわない、そして違和感を無視しない\ 「なんとなく似合わない気がする」「少し動きにくいな」といった小さな違和感も大切にしてください。その「なんとなく」は、あなたにとっての「心地よくない」のサインかもしれません。
- 即決せず、一度お店を出てみる\ 「すごく素敵!欲しい!」と思っても、すぐに決めずに一度お店の外に出て、少し時間を置いて冷静に考えてみるのも良い方法です。
- メンテナンス方法も確認してみる\ 自宅で洗えるか、特別な手入れが必要かなども、長く大切に着るためには気にしておきたい点です。「面倒だな」と感じる服は、たとえ気に入っても出番が少なくなるかもしれません。
買い物に対する考え方をもっと「ゆるっと」に
完璧なクローゼットを目指すなら、「失敗しない買い物」が目標になるかもしれません。でも、私たちは「自分にとって心地よいおしゃれを楽しむ」ことを大切にしています。だから、買い物に対する考え方も、もう少し肩の力を抜いてみましょう。
「元を取るためにたくさん着なきゃ」と考えるより、「この服を着ると気分が上がるな」と感じる回数を増やせるか、という視点を大切にしてみてはいかがでしょうか。
また、「この服を買うなら、他の服と最低3パターン以上の着回しができないとダメ」といった厳しいルールを作る必要はありません。お気に入りの一着が、他の手持ち服と「これとこれに合うな」という組み合わせが一つでも見つかれば、それだけで十分素敵なことです。
もし「なんとなく買い」をしてしまっても、自分を責めないでください。「今回はこういう選び方をしたけれど、次はもう少しこうしてみようかな」と、次に活かすための経験だと捉えれば大丈夫です。
「なんとなく」を減らして、心地よいクローゼットへ
「なんとなく」で服を買う習慣を少しずつ見直していくことで、クローゼットの中には、本当にあなたが「好き」で「心地よい」と感じる服だけが残っていきます。それは、誰かから見て完璧なクローゼットではなくても、あなた自身を肯定し、毎日の服選びを心穏やかな時間にしてくれる、あなただけの心地よい場所になるはずです。
買い物をすることも、自分を知る時間です。どんな服に心がときめくのか、どんな服を着ている時に心地よくいられるのか。そういった自分自身の感覚を大切にしながら、あなたのペースで、ゆるっと買い物を楽しんでみてくださいね。