季節の変わり目、何着る?を難しく考えない。心地よさ優先のゆるっとヒント
季節の変わり目、何着る? ふと立ち止まる服選び
春から夏へ、夏から秋へ。季節が移り変わる時期は、気候も不安定で、毎日の服選びに迷うことが増えますね。朝晩はひんやりするのに日中は暑かったり、急に雨が降ったり。クローゼットを開けても「昨日まで着ていた服は違う気がする」「でも何を着たらいいんだろう」と、ふと立ち止まってしまうことはありませんか。
衣替えも中途半端で、夏物と冬物が混在していたり。なんとなく体調も崩しやすかったりして、おしゃれどころじゃないと感じる日もあるかもしれません。
「こうあるべき」というファッションの枠から少し離れて、もっと気楽に、今の自分にとって心地よい服を選ぶにはどうしたら良いでしょうか。季節の変わり目を、完璧な正解を探すのではなく、心穏やかに乗り切るための小さなヒントをいくつかご紹介したいと思います。
完璧な衣替えは手放してみる
まず、衣替えは「完璧に一気に終わらせなければいけない」という考えを手放してみましょう。無理に全ての服を入れ替えようとすると、それだけで大きな負担になります。
季節の変わり目は、むしろ夏物と冬物の「いいとこどり」ができる期間と捉えてみるのはどうでしょうか。少しずつ、その日の気温や気分に合わせて、クローゼットの手前から手が伸びるものを選んでみる。まだ早いかな?と思う服も、まずは手に取ってみる。そうやって、少しずつ自然な流れでクローゼットの中身もシフトしていく、くらいの気持ちで十分なのです。
気温の数字より、自分の感覚を大切に
天気予報で「最高気温は〇度」と見ても、それが自分にとって「暑い」のか「寒い」のかは、その日の体調や活動内容、いる場所によっても変わります。
季節の変わり目の服選びでは、気温の数字に振り回されすぎず、「今の自分がどう感じているか」を一番の基準にしてみてください。朝起きて窓の外を見た時の空気感、家を出る前に肌で感じる風の温度。そういった五感で感じる情報と、今日の自分の体調や予定を照らし合わせて、ピンとくる服を選ぶ。その直感を信じてみることも大切です。
「重ね着」を味方につける
季節の変わり目に特におすすめなのが、重ね着です。厚手のコートやニットはまだ早いけれど、一枚では肌寒い。そんな時に、薄手のアイテムを組み合わせてみることで、簡単に体温調節ができます。
例えば、Tシャツの上に薄手のカーディガン、ブラウスの上にニットベスト、シャツの上にスウェット、といった組み合わせです。厚手のものを一枚着るよりも、脱ぎ着で調節しやすいのが利点です。また、素材感や色の異なるアイテムを重ねることで、着こなしに奥行きが生まれて、おしゃれに見える効果もあります。
ゆったりとしたシルエットのアイテムは、中に着るもので調節しやすいので、この時期の味方になってくれます。体型変化が気になる部分も自然にカバーしながら、リラックスして過ごせるという心地よさもありますね。
素材感で季節の移ろいを楽しむ
色だけでなく、素材感を少しずつ変えていくことでも、季節感を表現できます。例えば、真夏に着ていたリネン素材のブラウスを、少し厚手のコットン素材に変えてみる。または、夏物のTシャツの上に、少し起毛感のあるスウェットや、薄手ですが温かみのあるウール混のカーディガンを羽織ってみる。
パッと見では大きな違いがなくても、こうした小さな素材の変化が、着る人の心に「季節が動いているな」という感覚をもたらしてくれます。そして、その素材が自分の肌に触れた時の心地よさも、服を選ぶ大切な基準になります。
小物で賢く、心地よく
大掛かりな衣替えや新しい服を買い足さなくても、小物を取り入れることで、季節の変わり目を心地よく乗り切ることができます。
首元に薄手のストールやスカーフを巻くだけで、体感温度が変わりますし、コーディネートのアクセントにもなります。シルクやコットンの薄手素材なら、日中暑くなったらバッグにさっとしまうこともできます。足元も、サンダルからスニーカーやローファーに切り替えるだけで、ぐっと季節感が変わります。
手持ちの服に小物をプラスするだけで、ぐっと新鮮な気持ちで着られることもあります。完璧に揃えようとせず、「これを使ってみようかな」というくらいの気軽さで試してみてください。
「なんとなく」でいい日があっても大丈夫
毎日完璧におしゃれをしよう、季節にぴったりの服を選ぼう、と気負いすぎなくても大丈夫です。今日はなんとなくこの色を着たいな、この素材に触れていたいな、と感じた服を選ぶ。そして「まあ、これでいいか」と納得して家を出る日があっても、全く問題ありません。
ファッションは、誰かに評価されるためではなく、自分が心地よく、自分らしく過ごすためのものです。特に季節の変わり目の不安定な時期は、体や心が求めやすい服を選ぶことを優先して良いのです。
まとめ
季節の変わり目の服選びは、難しく考えすぎると疲れてしまうものです。完璧な衣替えや、気温に合わせた正解のコーディネートを探す必要はありません。
「今の自分が心地よいか」という感覚を大切にしながら、重ね着や素材の変化、小物を賢く取り入れることで、無理なくおしゃれを楽しむことができます。
今日は何を着ようかな、と迷った時も、「まあ、なんとなくこれで大丈夫」と肩の力を抜いてみてください。自分自身の感覚を信じ、自分を大切にする服選びを通して、移りゆく季節を心地よく過ごしていただけたら嬉しいです。