ゆるっとファッション手帖

「あの頃の私」と今の私。年齢を重ねたおしゃれの心地よい見つけ方

Tags: ファッションの悩み, 年齢とファッション, 体型変化, 服選び, 心地よい服, 過去との比較, ゆるっとファッション

若い頃、ファッションを楽しんでいた方にとって、年齢や体型の変化は、おしゃれへの向き合い方を考え直すきっかけになることがあります。

「昔はどんな服でも着こなせたのに、今はなんだかしっくりこない」 「あの頃似合っていた服が、今は体型に合わない」 「若い頃のようにはいかないから、おしゃれはもういいかな」

そんな風に感じて、過去の自分と比べて落ち込んでしまったり、ファッションを諦めそうになったりすることはありませんか。

でも大丈夫です。ファッションは、何も「あの頃の自分」の延長線上にこだわる必要はありません。年齢を重ねた「今のあなた」だからこそ見つけられる、新しい「似合う」や「心地よい」がきっとあります。

「あの頃の好き」が今の私に合わない理由

若い頃に好きだった色やデザイン、シルエットの服が、今はなんだか違うと感じるのには、いくつかの理由があります。

もちろん、体型の変化は大きな要因の一つです。でもそれだけではなく、顔立ちや肌の質感、全体の雰囲気なども少しずつ変わってきています。また、ライフスタイルや価値観の変化も、選ぶ服に影響を与えているのかもしれません。

「昔は流行最先端のミニスカートが好きだったけれど、今はもう少し落ち着いた丈のスカートやパンツの方が安心する」 「鮮やかな色が似合うと思っていたけれど、今は少しくすんだトーンの方が肌になじむ気がする」

そんな風に感じるのは、あなたが変化している証拠です。そして、その変化に合わせておしゃれも変化していくのは、とても自然なことなのです。「昔流行っていたから」「あの頃似合っていたから」という理由だけで、今の自分に無理に合わせようとする必要はありません。

「今の私」と心地よく向き合う視点

過去の自分と比べるのをやめて、「今の私」をフラットな目で見てみましょう。

鏡の前に立って、今の体型を観察してみてください。気になる部分があるかもしれません。でも、それと同じくらい、チャームポイントも必ずあります。無理に「隠す」ことばかりに囚われず、「今の自分のどこを心地よく見せたいかな」という視点を持ってみませんか。

例えば、昔は苦手だった「ゆったりとしたシルエット」が、今は体型を拾いすぎず、かえってリラックス感と上品さを演出してくれる、という発見があるかもしれません。硬い素材より、少し落ち感のある柔らかな素材の方が、今の肌や体のラインになじむ、と感じるかもしれません。

大切なのは、「〇歳だからこう着るべき」という世間的な基準や、「昔はこうだった」という自分の中の固定観念から一度離れて、「今の私が着ていて、一番心も体も心地よくいられる服はどんな服だろう」と問いかけてみることです。

過去の基準を手放し、心地よさ優先で選ぶ

「あの頃の成功体験」が、今の服選びの足かせになっていることもあります。

「若い頃はいつもスキニーデニムだったから、他のパンツはどう選んでいいか分からない」 「昔はウエストを強調するデザインが好きだったけど、今はどうもしっくりこない」

そんな時は、過去の基準を手放してみましょう。

例えば、ボトムスなら、昔は選ばなかったかもしれないワイドパンツやストレートパンツ、足首が見える丈のテーパードパンツなどを試着してみる。ワンピースなら、昔はぴったりしたものを選んでいたけれど、今は少しAラインやIラインのゆったりしたものを選んでみる。

そして、選ぶ基準を「昔の私に似合ったかどうか」から「今の私が着ていて、心地よく、鏡の中の自分を見て『いいな』と思えるかどうか」に変えてみてください。

心地よさとは、単に楽ということだけではありません。肌触り、体の動かしやすさ、そして何より「これを着ている自分、なんだかいい感じ」と思える心の状態も含まれます。今の自分が心地よくいられる服は、自然とあなたを輝かせてくれるはずです。

小さな変化を楽しんで、新しい自分を見つける

いきなりクローゼットを全て入れ替える必要はありません。まずは、トップスだけ、ボトムスだけ、あるいはストールやアクセサリーなどの小物だけ、一つずつ「今の私に心地よいか」という視点で選び直してみるのはどうでしょうか。

昔は避けていた色や形も、今のあなたに意外なほど似合うかもしれません。「あの頃は着なかったけれど、今の自分になら似合うかも?」という小さな好奇心を持って、新しいアイテムを試着してみるのも楽しいものです。

ファッションは、過去の自分と比較して優劣をつけるものではありません。常に変化していく自分の心と体に寄り添いながら、その「今」を楽しむためのツールです。

「昔はこうだったのに」という気持ちを手放して、「今の私、結構いいかも」と思えるような、心軽やかなファッションをぜひ見つけてください。年齢を重ねることは、新しい「好き」や「似合う」に出会える、素敵なチャンスなのですから。