ゆるっとファッション手帖

今の私にフィットする。「ゆったりシルエット」で心地よくおしゃれを楽しむヒント

Tags: ゆったりシルエット, 心地よい服, 大人ファッション, 体型変化, 服選び

ファッションについて、「こう着なければいけない」「似合わないといけない」と、どこかで難しく考えてしまっていませんか。特に年齢や体型の変化を感じると、何を着ていいのか分からなくなり、おしゃれ自体が少し億劫に感じてしまうこともあるかもしれません。

そんな時、一つの選択肢として考えてみていただきたいのが、「ゆったりシルエット」の服です。ただ大きいというわけではなく、体に優しく沿い、締め付け感のない服は、私たちの心と体をゆるめてくれる力を持っています。

ゆったりシルエットが「ゆるっとファッション」になじむ理由

なぜ、ゆったりシルエットの服が、肩の力を抜いてファッションを楽しむ「ゆるっとファッション」になじむのでしょうか。

体型を過度に拾わない安心感

一番の理由は、体型を気にしすぎなくて済むという点です。気になる部分を無理に隠そうとするのではなく、服自体が持つゆとりが自然にカバーしてくれるため、「これで大丈夫かな」という不安が軽減されます。自分自身の体型を気に病む時間を減らし、もっと気楽に服と向き合うことができます。

締め付けがなく、一日中心地よくいられる

私たちの体は、一日の中でも変化します。特に夕方になると、むくみを感じることもあるかもしれません。ゆったりとしたシルエットの服なら、体に食い込む部分がなく、朝から晩まで心地よく過ごすことができます。心地よさは、おしゃれを楽しむ上でとても大切な要素です。

動きやすく、日常にフィットする

家事や仕事、買い物など、私たちの毎日は活動的です。体の動きを妨げないゆったりとした服は、日常の様々なシーンに自然とフィットします。動きやすさは、おしゃれを「特別なこと」ではなく「日常の一部」として楽しむ上で、非常に重要です。

「頑張りすぎない」大人の余裕を演出できる

ピタッとした服や流行最先端の服ばかりが「おしゃれ」ではありません。適度なゆとりを持った服は、どこか肩の力が抜けた、自然体で素敵な大人の雰囲気を醸し出してくれます。「頑張ってる感」がないのに素敵に見える、これこそ「ゆるっとファッション」の目指すところかもしれません。

「ただ大きい」に見せない、ゆったりシルエット選びのヒント

ゆったりシルエットの服は、選び方を間違えると「だらしなく見えるかも」と心配になるかもしれません。でも大丈夫です。いくつかポイントを押さえれば、洗練された印象を保つことができます。

素材感が大切

ゆったりとしたシルエットだからこそ、素材感がとても重要になります。 例えば、ストンと落ち感のある(ドレープ性のある)素材は、体のラインを拾いすぎずに縦のラインを強調し、すっきり見せてくれます。ブラウスやワンピースで取り入れやすいでしょう。 一方、適度なハリや厚みのある素材(例えば、目の詰まったコットンやリネンなど)は、服の形をきれいに保ち、立体感を出してくれます。シャツやパンツで取り入れると、カジュアルすぎず上品な印象になります。 柔らかすぎる、薄すぎる素材は、体のラインが出やすかったり、シワになりやすかったりするため、注意が必要です。

サイズ感を見極める

「ゆったり」と「大きすぎる」は違います。自分の体に合った、程よいゆとりがあるものを選ぶのがポイントです。 特にチェックしたいのは、肩のライン、袖丈、着丈です。肩が落ちすぎていたり、袖が長すぎたり、着丈が極端に長すぎると、だらしなく見えやすくなります。試着の際には、これらの点を意識して鏡を見てみましょう。

デザインでメリハリをつける

シンプルなデザインのゆったり服も素敵ですが、少しだけデザイン性があるものを選ぶと、のっぺりした印象を防ぐことができます。 例えば、袖口に少しギャザーが入っている、裾にスリットがある、首元がVネックやボートネックなど、少し開きがあるデザインは、全体のバランスを引き締めてくれます。

ゆったりシルエットをおしゃれに着こなす小さなコツ

選んだゆったりシルエットの服を、さらに素敵に着こなすための小さなコツをいくつかご紹介します。

バランスの取り方

上下ともにゆったりとしたシルエットだと、全体がぼやけた印象になることがあります。どこかでバランスを取ることを意識してみましょう。 例えば、トップスがゆったりとしたブラウスやニットなら、ボトムスは少しすっきりしたテーパードパンツやナロースカートを選ぶとバランスが良くなります。逆に、ワイドパンツやロングスカートなどボトムスがゆったりしている場合は、トップスを少しコンパクトなものにするとメリハリが生まれます。 もし上下ともにゆったりさせたい場合は、素材感を変えたり、ベルトでウエストマークしたり、インナーとのレイヤードを見せたりすることで、視覚的なメリハリをつけることができます。

小物で「きちんと感」をプラス

ゆったりした服はリラックス感が強いので、小物で少しだけ「きちんと感」や「おしゃれ感」を足すと、より洗練された印象になります。 例えば、シンプルなネックレスやピアス、デザイン性のある腕時計、小ぶりで上質なバッグ、レザー素材の靴などは、全体のカジュアルさを引き締め、着こなしを格上げしてくれます。

インナーや重ね着で変化をつける

シンプルなゆったりニットの中にシャツを重ねて襟元や裾を少し見せる、ゆったりワンピースの上にカーディガンやジャケットを羽織るなど、インナーや重ね着を工夫するだけで、同じ服でも全く違う雰囲気になります。着こなしに奥行きが生まれ、おしゃれの幅が広がります。

最後に

ゆったりシルエットの服は、体型を気にしすぎず、心地よく毎日を過ごすための一つの味方になってくれます。「こう着るべき」という誰かの基準ではなく、自分が「心地よいな」「これなら気楽に過ごせるな」と感じる服を選ぶこと。それが、「ゆるっとファッション」の第一歩です。

体型や年齢と共に変化する自分を受け入れながら、今の自分にフィットする心地よい服を見つけていく過程は、きっと楽しいものになるはずです。ぜひ、ゆったりとしたシルエットの服を、あなたのクローゼットに加えてみてください。新しい自分らしいおしゃれの楽しみ方が見つかるかもしれません。