おしゃれなのにリラックスできる。毎日着たくなる「心地よい服」の選び方
「おしゃれしなくちゃ」と思うけれど、いざ服を選ぶとなると、なんだか疲れてしまう。鏡の前に立つと、体型の変化が気になって、何を着てもしっくりこないような気がする。流行の服はなんだか気恥ずかしいし、昔着ていた服はもう今の自分には合わない気がする。
そんな風に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。おしゃれって、もっと楽しいものだったはずなのに、いつの間にか「頑張らなくちゃいけないこと」になってしまったような、重たい気持ちになってしまう。
「ゆるっとファッション手帖」では、そんな完璧主義を手放し、肩の力を抜いてファッションを楽しむことを大切にしています。おしゃれは我慢比べではありません。体がホッとして、心も軽くなるような「心地よさ」を一番の基準にしても良いのです。
今回は、おしゃれなのにリラックスも叶う、毎日着たくなるような「心地よい服」を選ぶヒントをお届けします。
なぜ「心地よい服」が大切なのでしょう
私たちは、一日の多くの時間を服を着て過ごしています。その服が体に窮屈だったり、肌触りが不快だったりすると、気づかないうちに体も心も緊張してしまいます。
逆に、肌に優しく、締め付けのない心地よい服は、体だけでなく心もリラックスさせてくれます。それは、自分自身の体や感覚を大切にすることに繋がります。
「おしゃれは我慢」という考え方から、「心地よさ」を最優先するファッションにシフトすることは、自分をもっと肯定的に受け入れることにも繋がります。鏡に映る自分に「これでいいんだな」と思えることが、おしゃれを楽しむ一番の秘訣かもしれません。
「心地よい服」を見つけるためのヒント
では、具体的にどんな視点で服を選べば良いのでしょうか。いくつかヒントをご紹介します。
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素材を確かめる
まず大切にしたいのは、肌に直接触れる素材です。
- 肌触り: チクチクしないか、ゴワゴワしないか、触ってみたり、可能であれば試着して肌に乗せてみたりしましょう。コットン、リネン、ウール(肌に優しい加工がされたもの)、モダール、テンセルなどの天然素材や、肌触りの良い合繊素材など、自分にとって心地よいと感じる素材を見つけてみてください。
- 通気性・吸湿性: 汗をかきやすい方や、季節の変わり目に着る服は、通気性や吸湿性の良い素材を選ぶと、蒸れにくく快適に過ごせます。
- 軽さ: 肩が凝りやすい方は、服の重さもチェックポイントです。できるだけ軽い素材を選ぶと、一日中ラクに過ごせます。
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シルエットとサイズ感で選ぶ
体のラインを拾いすぎない、締め付けのないシルエットは、体の解放感に繋がります。
- 体のラインを拾いすぎない: ピタッとしすぎるデザインは避け、程よくゆとりのあるシルエットを選びましょう。Aライン、Iライン、ドルマンスリーブ、ドロップショルダーなど、体の気になる部分を自然にカバーしてくれるデザインは、リラックスして着られます。
- 締め付けがない: ウエストがきついパンツやスカート、首周りが詰まるトップスは、体への負担になります。ウエストがゴムだったり、ストレッチが効いていたり、首元にゆとりがあったりするデザインを選ぶと、ストレスなく過ごせます。サイズは、タグの表示だけでなく、「今の自分の体」に合わせて、心地よく感じるものを選ぶのが一番です。
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縫製やディテールをチェックする
意外と見落としがちなのが、縫製や細部のデザインです。
- 縫い目: 服の内側の縫い目が肌に当たって不快感を与えることがあります。できるだけフラットな縫い方をしているものや、縫い代が肌に当たらないようなデザインを選びましょう。
- タグ: 首の後ろや脇に付いているタグがチクチクすることはありませんか。最近はタグをプリントにしたり、簡単に切り取れるようにしたりしている服も増えています。気になる場合は、試着時にチェックするか、購入後に慎重に外すこともできます。
- その他: ボタンの裏側やファスナーが肌に当たらないか、飾りやレースなどがチクチクしないかなども、可能であれば確認してみましょう。
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お手入れのしやすさも心地よさ
お気に入りの服でも、お手入れが大変だと、だんだん着るのが億劫になってしまうものです。
- 洗濯: 自宅で簡単に洗える素材やデザインを選ぶと、清潔さを保ちやすく、気兼ねなく毎日着られます。洗濯表示を確認し、手洗いが必要なものやクリーニング推奨のものは、自分のライフスタイルに合っているか考えてみましょう。
- シワ: 洗濯後にひどくシワになる服は、アイロンの手間が増えてしまいます。シワになりにくい素材や、シワがあっても味になるような素材(リネンなど)を選ぶと、お手入れの負担が減り、心地よく着続けられます。
心地よい服を「おしゃれ」に見せるちょっとしたコツ
心地よさだけを追求すると、部屋着のようになってしまわないか心配、という方もいらっしゃるかもしれません。でも、大丈夫です。少しの工夫で、リラックス感がありながらも素敵に見せることができます。
- サイズ感のバランス: ゆったりしたトップスには、程よい太さのパンツやギャザースカートを合わせるなど、全身がだらしなく見えないようなバランスを意識してみましょう。オーバーサイズを選ぶ場合も、極端に大きすぎず、自分の体に合った「ゆるっと」感を選ぶのがポイントです。
- 色や柄で気分をプラス: 無地のシンプルな服が多い場合は、きれいな色やさりげない柄のアイテムを一点取り入れるだけで、着こなしに変化と華やかさが生まれます。心がパッと明るくなるような色や、見ているだけで楽しくなるような柄を、難しく考えずに取り入れてみてください。
- 小物を活用する: 服自体がシンプルでリラックスシルエットでも、アクセサリー、スカーフ、バッグ、靴などの小物で印象は大きく変わります。少しきちんと感のある小物を合わせたり、遊び心のある色やデザインのものをプラスしたりすることで、全体のバランスが引き締まり、おしゃれに見せることができます。
- 髪型やメイクも味方に: ファッションだけでなく、ヘアスタイルを整えたり、軽くメイクをしたりするだけでも、全体の印象は格段に変わります。心地よい服を着て、鏡の中の自分が「いいな」と思える状態を作ることは、自信にも繋がります。
完璧じゃなくていい、「好き」と「心地よさ」を大切に
ファッションの世界には、たくさんの情報や「こうあるべき」という考え方があります。年齢によって着るべき服、体型をカバーするための着こなし方、流行の色やアイテム。そういった情報に振り回されてしまうと、おしゃれがどんどん窮屈になってしまいます。
「ゆるっとファッション手帖」が大切にしているのは、「完璧じゃなくていい」ということです。他人の評価や流行に流されるのではなく、自分が心から「心地よい」と感じるか、「好きだな」と思えるかを一番の基準にしてみませんか。
今回ご紹介した「心地よい服」を選ぶヒントは、あくまで一つの考え方です。ご自身の体や心の声に耳を傾けながら、自分にとって一番心地よい服との出会いを楽しんでいただけたら嬉しいです。
クローゼットの中に、「着るとホッとする服」「何度も袖を通したくなる服」が増えていくこと。それが、あなたらしい、心軽やかなファッションを見つける第一歩になるはずです。
おしゃれを通して、自分を大切にする時間が増えることを願っています。