ゆるっとファッション手帖

年齢も流行も関係ない。心が「心地よい」と感じる服を選ぶ方法

Tags: ファッション, 服選び, 心地よさ, 自分らしく, 年齢フリー

ファッションは「こうあるべき」ですか

クローゼットを開けたとき、「今日の服、これで大丈夫かな」「この組み合わせ、なんだか違う気がするけれど、何を着ていいか分からない」と立ち止まってしまうことはありませんか。

若い頃は楽しかった服選びも、年齢を重ねたり、体型が変わったりするうちに、だんだん難しく感じるようになったかもしれません。周りの人の視線や、雑誌やSNSで見る「流行」を気にするうちに、「こう着るべき」「私にはこれはもう似合わないかも」といった無意識のルールに縛られて、服を着ることが少し窮屈になってしまった、という声も耳にします。

ファッションは、自分を表現する楽しいツールのはずなのに、いつの間にか自分自身を縛り付けてしまうものになっているとしたら、それは少し寂しいことです。

「似合う」かどうか、「流行っている」かどうか。もちろんそれらもファッションを楽しむ一つの要素です。でも、それ以上に大切な基準があるとしたら、それは「自分が心地よいと感じるかどうか」なのではないでしょうか。

「心地よさ」を服選びの羅針盤にする

ファッションの世界には、「骨格診断」「パーソナルカラー」といった、自分に似合うものを科学的に分析する理論があります。また、毎シーズン新しい「トレンド」が生まれては消えていきます。これらは、服選びの参考になる興味深い情報です。

しかし、これらの「外側からの情報」ばかりを頼りにしていると、自分自身の内側から湧き上がる「好き」「心地よい」といった感覚を見失ってしまうことがあります。頭で考えた「似合う服」を着ていても、なんとなくソワソワしたり、一日中肩が凝るような気がしたり。それは、服が自分の心や体にフィットしていないサインかもしれません。

服選びにおいて「心地よさ」を優先するということは、誰かの評価や世間の基準ではなく、自分自身の感覚を一番大切にするということです。肌触り、着心地、動きやすさ。そして何より、「この服を着ていると、なんだか気持ちが落ち着くな」「少し気分が上がるな」といった、内側の感覚に意識を向けてみるのです。

心地よいと感じる服は、自然と体になじみ、不思議と自信を与えてくれるものです。無理に背伸びしたり、体型を隠そうと奮闘したりしなくても、自分自身の「心地よい」という感覚が、今の自分にとって一番しっくりくるスタイルへと導いてくれることがあります。

心地よさで選ぶ、具体的なヒント

では、「心地よさ」を基準に服を選ぶためには、具体的にどんなことに気をつけてみれば良いでしょうか。いくつかヒントを提案します。

1. 素材に触れて、肌が喜ぶかを感じてみる

見た目のデザインだけでなく、生地の肌触りを確かめてみましょう。チクチクしないか、ごわつかないか、柔らかいか。実際に触れてみて、自分の肌が「気持ち良いな」と感じる素材を選んでみてください。天然素材が好きな人もいれば、機能性素材に心地よさを感じる人もいるでしょう。大切なのは、世間の評価ではなく、ご自身の肌感覚です。

2. シルエットは「楽であること」を優先してみる

体型を気にして必要以上に隠そうとしたり、逆に流行のタイトなシルエットに無理に挑戦したりする必要はありません。体が締め付けられず、一日を通してリラックスできる、程よいゆとりのあるシルエットを選んでみましょう。肩回りが楽か、腕を動かしやすいか、座ったときにお腹周りが苦しくないか。楽であることは、心地よさの重要な要素です。それが結果的に、今の自分に一番似合う「ゆるっとした」ラインを生み出すこともあります。

3. 色は「着ていて気分が上がるか」で選んでみる

「私にはこの色は似合わない」「この年齢でこの色はちょっと」といった色への固定観念を手放してみませんか。もちろん客観的に似合う色も参考になりますが、それ以上に「この色を着ていると、なんだか元気が出るな」「落ち着くな」と感じる自分の内側の声に耳を傾けてみましょう。気分で色を選ぶ自由さを楽しんでみるのも良いものです。

4. 試着は「服との対話の時間」

お店での試着は、ただサイズを確認する時間ではありません。その服を着たときの、肌触り、動きやすさ、そして何より「その服を着ている自分」の感覚をじっくりと感じる時間です。鏡に映る姿だけでなく、歩いてみたり、腕を上げ下げしてみたり、座ってみたりして、体がどう感じるかを確認しましょう。「素敵に見えるけれど、どこか窮屈」「デザインは好きだけど、肌触りが苦手」そんな小さな違和感も見逃さないことが大切です。

小さな一歩から始めてみましょう

「心地よさ」を基準にした服選びは、特別なことではありません。今お手持ちの服の中から、「なぜだか一番よく着てしまう服」や「着ていると一番リラックスできる服」を見つけてみること。そして、なぜその服が心地よいのかを考えてみること。それが、自分にとっての「心地よさの基準」を見つける最初のステップになるはずです。

新しい服を買うときも、まずは「素敵!」という気持ちだけでなく、「これは着ていて楽そうかな」「肌触りはどうかな」という視点を加えてみてください。

自分の心地よさが、何よりも大切

ファッションは、誰かに「おしゃれだね」と言われるためだけにあるのではありません。毎日を過ごす自分の体が、心が、少しでも快適に、そして心地よくいられるためのものです。

年齢や体型、流行といった基準に囚われすぎず、「今の自分」が一番心地よくいられる服を自由に選んで良いのです。完璧を目指さなくても大丈夫。自分自身の「心地よい」という感覚を信じて、ゆるっと、そして自分らしく、ファッションを楽しんでいきましょう。