おしゃれは着るだけじゃない。お気に入りの服を心地よく保つ、無理しない方法
おしゃれは着るだけじゃない?
毎日袖を通すお気に入りの服。手に取るたびに気分が上がったり、自分らしくいられると感じたり。そんな服を「もっと長く大切に着たいな」と思うことはありませんか。
ファッションというと、新しい服を買ったり、着こなしを工夫したりすることに目が行きがちかもしれません。でも、今持っている服をいかに心地よい状態に保つか、ということも、自分らしいファッションをゆるっと楽しむ上で大切なことだと感じています。
とはいえ、服のお手入れや保管って、なんだか難しそう、面倒くさそう、と思ってしまうこともあるかもしれません。洗濯表示とにらめっこしたり、「手洗い指定のものは絶対手洗いをしないと!」と気負ってしまったり…。
でも、ご安心ください。完璧を目指さなくても大丈夫なのです。今回は、お気に入りの服と心地よく、そして無理なく長く付き合っていくための、ゆるっとしたお手入れや保管のヒントをいくつかご紹介したいと思います。
「完璧に」じゃなくて「心地よく」
まずお伝えしたいのは、「こうしなければいけない」というルールに縛られないことです。洗濯表示は大切な情報ですが、それにがんじがらめになっておしゃれを楽しむ気力がなくなってしまっては本末転倒です。
例えば、「手洗い」表示の服。デリケートな素材の場合が多いですが、「必ず手洗い」にこだわるあまり着るのをためらってしまうよりは、目の細かい洗濯ネットに入れて、おしゃれ着洗い用の洗剤を使って洗濯機の「手洗いコース」や「ドライコース」で洗ってみる、というのも一つの選択肢だと思います。もちろん自己責任ではありますが、これだけで着るハードルがぐっと下がることもあります。
大切なのは、服をきれいに保つことによって、自分が心地よく着られる状態を維持することです。完璧なプロの仕上がりでなくても、自分が「これでいいな」と思えれば十分なのです。
洗濯・乾燥は「ちょっとした気遣い」をプラス
日々の洗濯も、少しだけ意識を向けるだけで服への負担を減らすことができます。
- 洗剤選び いつもの洗剤と別に、おしゃれ着洗い用の洗剤を一本持っておくと便利です。色褪せや型崩れ、縮みを抑え、柔らかな風合いを保つのを助けてくれます。柔軟剤も、静電気防止や肌触りの向上のために適宜使うと良いでしょう。
- 干し方 洗濯が終わったら、すぐに干しましょう。服を干す前にパンパンと軽く叩いてシワを伸ばしたり、形を整えたりするだけで乾いた時の状態が変わります。ニットなどは型崩れを防ぐために平干しネットを使ったり、厚手のハンガーを使ったりするのも効果的です。直射日光は色褪せの原因になることがあるため、陰干しがおすすめです。
収納・保管で「ゆったり」を意識
クローゼットにしまうときも、少し気をつけるだけで服が長持ちします。
- 詰め込みすぎない クローゼットに服をぎゅうぎゅうに詰め込むと、服にシワがつきやすく、湿気もこもりやすくなります。適度な隙間を持たせて収納することで、服が呼吸でき、状態良く保てます。
- たたむ服・吊るす服 ニットやカットソーなど、ハンガーにかけると伸びてしまう心配があるものは、たたんで収納するのが安心です。パンツやスカートは、吊るす方がシワになりにくい場合が多いでしょう。素材や服の形に合わせて使い分けるのがおすすめです。
- 湿気と虫対策 湿気はカビの原因になります。定期的にクローゼットの扉を開けて換気をしたり、除湿剤を置いたりするのも良い方法です。また、衣類を食べる虫から守るために、防虫剤を適切に使いましょう。
小さなトラブルに「ゆるっと」対処
着ているうちにできてしまう毛玉や、ちょっとしたほつれ。見て見ぬふりをすることもできますが、少し手入れするだけで服への愛着が増すことがあります。
- 毛玉取り 毛玉は摩擦によってできてしまいます。特にニット類は毛玉ができやすいですね。電動の毛玉クリーナーや毛玉取りブラシを使うと、簡単にきれいにすることができます。手でむしるのは、かえって生地を傷めてしまう可能性があるので避けましょう。
- ほつれやボタン ちょっとした縫い目のほつれなら、自分で簡単に繕うこともできます。ボタンが緩んでいるのに気づいたら、取れてしまう前に付け直しておくと安心です。
「自分で直すなんて大変そう」と思うかもしれませんが、ほんの数分でできることもあります。もちろん、無理だと思ったらプロにお願いするのも全く問題ありません。大切なのは、「完璧に自分でやる」ではなく、「どうすればこの服を心地よく着続けられるかな」という視点です。
服を大切にすることは、自分を大切にすること
今回ご紹介したお手入れや保管の方法は、どれも日常の中で無理なくできる、ほんの少しの工夫です。全てを完璧にこなす必要はありません。できることから、一つずつ試してみるくらいの気持ちで大丈夫です。
お気に入りの服を丁寧に扱う時間は、ちょっぴり自分自身を慈しむ時間にもつながるように感じます。服がきれいな状態だと、袖を通すときの気分も上がりますし、自信を持って外出することもできます。
ファッションは、新しい服で着飾ることだけではありません。今持っている服に目を向け、大切に手入れし、心地よく着続けることも、自分らしいスタイルを築く素敵な方法の一つです。
「完璧」を手放して、お気に入りの服とゆるっと、そして心地よく付き合っていく。そんな優しいファッションとの向き合い方を見つけてみませんか。