いつもの服に「色」をひとさじ。マンネリ気分を変える小さな冒険
いつもの服、なぜか無難な色ばかりになっていませんか
クローゼットを開けると、ベージュ、グレー、ネイビー、黒、白。気づけばいつも似たような定番カラーばかりを選んでいる、ということはありませんか。もちろん、定番カラーは着回しがききますし、落ち着いて見せてくれる安心感があります。ですが、たまには「なんだか物足りないな」「もう少し気分を変えたいな」と感じることもあるかもしれません。
「本当はもう少し色のある服を着てみたいけれど、どんな色を選べばいいか分からない」「年齢的に派手になりすぎないか心配」「失敗してしまいそうで、ついつい無難な色に手が伸びてしまう」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、大丈夫です。ファッションに完璧な「正解」はありませんし、色を取り入れることも、思っているよりずっと気楽に楽しむことができます。ほんの少し色を加えるだけで、いつもの定番服が見違えたり、自分自身の気分が明るくなったりすることは、意外とたくさんあるものです。
この記事では、いつものファッションに「色」をひとさじ加えることで、マンネリ気分を変え、もっと気楽にファッションを楽しむためのヒントをお届けします。
なぜ私たちは「無難な色」を選びがちなのか
私たちのクローゼットが定番カラーで埋まりがちなのは、いくつかの理由があるかもしれません。
- 失敗を恐れる気持ち: 「似合わない色を選んでしまったらどうしよう」「年齢に合わないと言われたら嫌だな」といった不安から、リスクの少ない色を選んでしまうことがあります。
- 着回しのしやすさ: 定番カラーはどんなアイテムとも合わせやすく、コーディネートに悩む手間を省いてくれます。
- 安心感: 見慣れた色は私たちに安心感を与えてくれます。「これで間違いない」という気持ちで着ることができます。
- どうすればいいか分からない: 「色を取り入れたいけど、どんな色を、どう組み合わせればいいか分からない」という知識や情報の不足も要因の一つかもしれません。
これらの気持ちは、決して悪いものではありません。ファッションを心地よく楽しむ上で、安心感や効率はとても大切です。ですが、「色を楽しみたい」という気持ちも、ぜひ大切にしていただきたいのです。
「小さな一歩」から始める色の冒険
完璧なカラーコーディネートを目指す必要はありません。まずは「小さな一歩」から始めてみましょう。いつものファッションに色を「ひとさじ」加えるイメージです。
具体的な方法をいくつかご紹介します。
1. 小物から色を加えてみる
これが一番気軽に試せる方法かもしれません。
- バッグ: いつものコーディネートに、少し鮮やかな色やニュアンスカラーのバッグを加えてみましょう。面積が小さいので取り入れやすく、全体の印象がぐっと変わります。
- 靴: 足元に色を取り入れるのも効果的です。パンプスやスニーカーなど、普段履く靴の色を変えてみるだけで、新鮮な気分になれます。
- ストールやスカーフ: 首元に巻いたり、バッグに結んだり。柄物の中に好きな色が入っているものを選んでみるのも素敵です。
- アクセサリー: 大ぶりのカラーネックレスや、色石を使ったピアスなど。顔周りに色があると、表情も明るく見えるかもしれません。
まずは、お持ちの定番色の服に合いそうな、好きな色の小物を一つ探してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
2. ボトムスやインナーで色を取り入れる
「服そのもの」に色を取り入れたい場合は、ボトムスやインナーから始めるのがおすすめです。
- ボトムス: カラーパンツやカラースカートは、トップスに定番色を持ってくれば落ち着いた印象になります。顔から少し離れている分、トップスに色物を持ってくるよりハードルが低く感じられるかもしれません。
- インナー: ジャケットやカーディガン、ニットの下に、明るい色や深みのある色のインナーを合わせるのも良い方法です。襟元や袖口からチラリと色が見えるだけで、いつもの着こなしに奥行きが生まれます。
全身に色を取り入れるのではなく、まずは一点だけ、挑戦したい色のボトムスやインナーを選んでみるのはいかがでしょうか。
3. 派手すぎない、大人のための「色」を選ぶ
「色」といっても、蛍光色のような鮮やかな色ばかりではありません。
- くすみカラー: グレージュ、ピスタチオグリーン、ラベンダー、スモーキーブルーなど、落ち着いたトーンのくすみカラーは、肌馴染みも良く、大人でも気負いなく取り入れられます。
- ニュアンスカラー: ベージュとピンクの中間のような色、淡いグリーンとブルーの中間のような色など、曖昧で繊細な色のことです。上品で洗練された印象になります。
- 深みのある色: ボルドー、マスタードイエロー、テラコッタ、ダークグリーンなど、こっくりとした深みのある色も素敵です。秋冬だけでなく、素材を選べば一年を通して楽しめます。
これらの色は、黒や白、グレー、ネイビーといった定番色との相性も良いことが多いです。
4. 「似合うか」より「好きか」を大切にする
色選びで悩んだら、「私に似合う色はどれだろう」と深く考えすぎなくても大丈夫です。それよりも、「この色、なんだか気になるな」「見ていると気分が上がるな」という「好き」や「心地よさ」を大切にしてみてください。
ファッションは、誰かに評価されるためにあるのではなく、自分が心地よく、自分自身を楽しませるためのものです。あなたが素敵だと感じる色は、きっとあなたを輝かせてくれるはずです。
たとえ「失敗したかな?」と感じたとしても、それは新しい発見につながる経験です。「次はこうしてみよう」と、また次に繋げれば良いのです。試してみること自体を、新しい色との出会いの「小さな冒険」として楽しんでみましょう。
完璧を目指さず、心軽やかに色を楽しむ
ファッションに色を取り入れることは、「こうしなければならない」というルールではありません。いつものコーディネートに飽きを感じたとき、少し気分を変えたいとき、新しい自分に出会いたいと思ったときに、そっと手を伸ばしてみる選択肢の一つです。
たくさんの色を一度に取り入れる必要はありません。まずは一つ、あなたが心惹かれる色を、小さな面積で、あるいはアイテム一点で取り入れてみてください。その色が、いつもの日常にささやかな彩りを与え、あなたの気分を少しだけ上向きにしてくれるかもしれません。
「完璧なカラーコーデ」よりも、「今の私にとって心地よい色」を大切に。無理なく、心軽やかに、色との新しい付き合い方を楽しんでいただけたら嬉しいです。