『派手になるかも』を手放す。心地よい柄物ファッションの始め方
柄物、どうしてますか
クローゼットを開けると、無地の服ばかりになっていませんか。柄物の服は気になるけれど、「派手になりそう」「自分には似合わないかも」「着回しが難しそう」と感じて、つい避けてしまうという声を聞くことがあります。
若い頃は平気で着ていた柄物も、年齢を重ねると「ちょっと気恥ずかしいかな」と感じたり、体型変化で「なんだか柄が強調されてしまう気がする」と敬遠してしまうこともあるかもしれません。トレンドの柄を見ても、「これは若い人向けだな」と諦めてしまうこともあるかもしれません。
でも、もしあなたが「なんだか今のファッションがマンネリ気味だな」「いつもの無地ばかりで少し飽きてきたな」と感じているなら、柄物はいつものコーディネートに心地よい変化を与えてくれる、素敵なアイテムになり得ます。
「柄物をおしゃれに着こなさなきゃ」と気負う必要はありません。ゆるっとファッション手帖らしく、「完璧じゃなくていい」「心地よさ」を大切にした、柄物との新しい付き合い方を見つけてみませんか。
「派手になるかも」の不安を手放すヒント
柄物に対して抱きがちな「派手になるかも」「失敗したらどうしよう」という不安を少し手放すためのヒントをいくつかご紹介します。
ヒント1:まずは「小さな面積」から取り入れてみる
柄物を初めて取り入れるとき、全身のアイテムで挑戦するのは少しハードルが高いかもしれません。そんな時は、まず面積の小さなアイテムから始めてみるのがおすすめです。
例えば、首元に巻くスカーフやストール、いつものバッグにプラスするミニスカーフ、足元のおしゃれを楽しむ靴下などです。これらはコーディネート全体に占める割合が小さいので、悪目立ちしにくく、でも確実にいつものスタイルに変化とアクセントを加えてくれます。小さな柄のポーチをバッグからチラ見せさせる、なんていうのも素敵な方法です。
ヒント2:柄の中の一色、またはベーシックカラーと合わせる
柄物アイテムを選ぶ際、「何色と合わせたらいいか分からない」という悩みもよく聞かれます。難しく考える必要はありません。
一番簡単なのは、柄の中に使われている色を一色だけ拾って、その色と同じか似た色の無地アイテムと合わせる方法です。例えば、ネイビー地に白と黄色の花柄スカートなら、トップスはネイビー、白、黄色のいずれかの無地を選ぶと、自然とまとまりが生まれます。
また、白、黒、グレー、ベージュ、ネイビーといったベーシックカラーは、どんな柄物とも相性が良い頼れる存在です。カラフルな柄でも、ボトムスやアウターをベーシックカラーでまとめれば、ぐっと落ち着いた印象になります。お手持ちのベーシックアイテムに合う柄物を選ぶという視点も大切です。
ヒント3:柄の「大きさ」や「種類」に注目してみる
一口に柄物といっても、その種類は様々です。ストライプ、ドット、花柄、チェック、ペイズリーなど、たくさんの選択肢があります。
もし「派手になるかも」という不安が強い場合は、まずは小さな柄や、線が細いストライプ、控えめなドットなどから始めてみるのがおすすめです。大きな柄よりも主張が少なく、挑戦しやすいかもしれません。
また、柄だけでなく、素材感にも注目してみましょう。例えば、同じ花柄でも、ハリのあるコットン素材と、とろみのあるレーヨン素材では印象が大きく異なります。着ていて「心地よいな」と感じる素材を選ぶことで、柄物に対する抵抗感が減ることもあります。
ヒント4:「似合うか」より「心地よいか」を大切に
ファッションには「似合う、似合わない」という言葉がつきものですが、ゆるっとファッションにおいては、「自分が着ていて心地よいか」「鏡に映った自分を見て、気分が上がるか」という感覚を何より大切にしてほしいと思います。
頭で「これは似合うはず」「これは年齢的に無理かな」と考えるのではなく、ピンときた柄物を試着してみて、袖を通した時の肌触りや、鏡の中の自分の表情を観察してみてください。もし心がふわっと軽くなったり、「なんだかいいな」と思えたりしたら、それが今のあなたにとって心地よい柄物です。
「柄物を取り入れるなら、トップスかボトムスかどちらかに絞って、他はシンプルに」といった一般的なバランスの取り方ももちろん参考になります。でも、それよりも、自分が「これでいいな」と感じるバランスが一番の正解です。
完璧を目指さなくていい、心地よい柄物との付き合い方
柄物ファッションに挑戦することは、新しい自分を発見する楽しい過程です。もし「やっぱりちょっと落ち着かないな」と感じたら、その日は無理に着なくても大丈夫です。また別の日に、小物から再挑戦してみるなど、柔軟に考えてみましょう。
大切なのは、「完璧に着こなすこと」ではなく、「ファッションを通じて自分の気分を心地よくすること」です。柄物は、そんな心地よさをプラスしてくれる、頼もしい味方になってくれます。
いつものコーディネートに柄物をひとつ加えるだけで、景色が違って見えたり、普段通らない道を選んでみたくなったりと、日常にささやかな変化が生まれるかもしれません。
難しく考えず、自分にとって心地よいペースで、柄物ファッションをゆるっと楽しんでみませんか。