服選びが楽しくなる。「これでいいんだ」と思える、自分らしいスタイルの見つけ方
服選び、「何を着たらいい?」と迷う毎日
クローゼットを開けても、「今日、何を着よう」と悩んでしまう。昔はもっと気楽に、好きな服を選べていたはずなのに、年齢を重ねたり、体型が変化したりすると、どうにも服選びが難しく感じるものです。
トレンドの服を着てみても、なんとなく違う気がする。ベーシックなものを選んでも、地味に見えないか不安になる。おしゃれを楽しみたい気持ちはあるのに、自信が持てず、ため息が出てしまう。もしかしたら、「ちゃんとおしゃれしなきゃ」「もっとこうあるべき」という気持ちが、服選びを重たくしてしまっているのかもしれません。
でも、ファッションは「完璧」を目指すものではなく、もっと自由に、そして何より自分自身が心地よくいられるためのものだと、私たちは考えています。
この記事では、「これでいいんだ」と肩の力を抜いて、自分らしいスタイルを心地よく見つけていくためのヒントをお届けします。
なぜ、「これでいいんだ」と思えないのでしょうか
服選びが苦痛になってしまうとき、その背景にはいくつかの理由があるかもしれません。
一つは、「こう着るべき」というファッションのルールや、他人の評価を気にしすぎていること。SNSや雑誌で見る素敵な人たちと自分を比べて、「私はまだまだ」「これじゃダメだ」と感じてしまうことがあります。
また、過去の自分と今の自分を比べてしまうことも原因かもしれません。「若い頃はこれが似合ったのに」「もっと痩せていた頃は…」と、変化した自分を受け入れきれず、服選びに迷いが生じているのかもしれません。
でも、考えてみてください。ファッションに「絶対の正解」はありません。そして、年齢や体型が変化するのは自然なこと。それを受け入れて、今の自分にとって心地よいものを選ぶことこそが、これからのファッションを楽しむ鍵になります。
「自分らしいスタイル」は難しく考えなくて大丈夫
「自分らしいスタイルを見つけよう」と言われても、特別なセンスが必要なのでは、と考えてしまうかもしれません。でも、そんなことはありません。自分らしいスタイルとは、流行を追いかけることでも、誰かに褒められることでもなく、「自分自身が、その服を着て心地よくいられるか」を一番の基準にすることから始まります。
「心地よさ」には、色々な要素があります。肌触りが気持ちいい、締め付け感がなくてリラックスできる、鏡に映った自分を見て少し嬉しくなる、気分が明るくなる色、など。
まずは、「着ていて一番落ち着くな」「これを着ると気分がいいな」と感じる服が、クローゼットの中にないか探してみてください。それは、きっとあなたの「心地よさ」のヒントになるはずです。
「心地よさ基準」で服を選ぶヒント
「心地よさ」を羅針盤にして、服を選んでみましょう。いくつか具体的なヒントをご紹介します。
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今の自分の体を受け入れることから始める 体型や年齢の変化を「隠す」ものとして服を選ぶのではなく、「今の自分を心地よく見せる」ものとして選んでみませんか。例えば、お腹周りが気になるからといって、極端に体を締め付ける服を選ぶ必要はありません。かえって苦しくなり、気分まで沈んでしまいます。少しゆったりめのシルエットでも、落ち感のある素材(生地がすとんと落ちる柔らかな素材のことです)を選べば、すっきり見えながらもリラックスして着られます。今の体のラインに自然に沿う、締め付けのない服を選んでみてください。
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「似合うか」より「着ていて気分が上がるか」を大切に 巷には「骨格診断」や「パーソナルカラー」など、「似合う」を見つけるための情報がたくさんあります。これらはもちろん参考になりますが、そこに縛られすぎる必要はありません。「似合う」と言われる色より、自分が「いいな」「着てみたい」と感じる色を選ぶ。理論上は似合わないとされても、なぜか心惹かれるデザインや素材の服に挑戦してみる。あなたが着ていて気分が上がる服が、あなたにとって一番「心地よい」服なのです。
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クローゼットの「お気に入り」に注目する 「何を着たらいいか分からない」と感じるときでも、きっと「これだけは着ると落ち着くな」「これだけは好きなんだよな」という服が何枚かあるはずです。その服は、どんな色ですか。どんな素材ですか。どんなシルエットですか。どんなときに着ていますか。その「お気に入り」の中に、あなたの「心地よさ」のヒント、つまり自分らしいスタイルの種が隠されています。
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手持ちの服で色々な組み合わせを試す 新しい服を買う前に、今クローゼットにある服で、普段はやらない組み合わせを試してみましょう。「このトップスに、あのボトムスは合わないかも」という思い込みを手放してみるのです。意外な発見があるかもしれません。それがもし「変かな?」と思っても大丈夫。「あ、これは違うな」という発見も、自分らしいスタイルを見つける上での大切な一歩です。
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情報は「参考」程度に、流されすぎない ファッション雑誌やSNSは、たくさんの素敵なアイデアにあふれています。もちろん、それらを参考にすることは良いのですが、そこに書かれていることや見ているものが「絶対」だと思い込まないことが大切です。「こういう着こなしもあるんだな」という参考にして、今の自分に取り入れられるアイデアだけをゆるやかに取り入れてみましょう。
「失敗しても大丈夫」という心で
おしゃれに失敗はありません。もし「やっぱりこれ、自分にはしっくりこないな」と思う服があっても、それは決して無駄ではありません。「こういう服はあまり心地よくないんだな」という、大切な気づきを得られたのです。
服を選ぶことは、自分自身と向き合うことでもあります。今日の自分の気分はどうか、体はどんな状態か、これから何をするのか。そういった「今の自分」を感じて、それに寄り添うように服を選んでいく。その過程を、完璧を目指すのではなく、少しの冒険や実験として楽しんでみましょう。
「これでいいんだ」と自分を肯定するファッションへ
服選びは、毎日の小さな選択です。そこに「ちゃんとしなきゃ」というプレッシャーを乗せてしまうと、せっかくの時間が憂鬱になってしまいます。
完璧な着こなしを目指すのではなく、「今日の私は、この服で心地よくいられる」と感じられるなら、それがあなたにとっての「正解」です。「これでいいんだ」と自分を肯定してあげてください。
自分らしいスタイルは、誰かから与えられるものではなく、自分自身で発見し、育んでいくものです。焦らず、比べて落ち込まず、今の自分が心地よいと感じる選択を大切に。そうすればきっと、服選びの時間は、もっと軽やかで、楽しいものになっていくはずです。